100歳の行方不明者 日本の現状
今朝 日テレ「The サンデー NEXT」の消えた100歳~という特集番組について 思うこと。
実際に亡くなっている老人が、見つかって あっちもこっちもと全国で 何十人もの100歳以上の行方不明の老人がいることが判明した あの事件です。
もしかしたら 我が家も 「宇宙人」が腎盂腎炎で入院しなかったら あの行方不明の仲間になっていたかもしれないと 見ていて感じました。
「家族はどうなっているんだ?」と言う言葉が 何回も出てきました。
金さん銀さんや長寿と言われる人の幸せそうな笑顔も。
家族関係が希薄になっている指摘も。
私だって まったくその通りだとは 思います。
でも、一人で生活されている人の方にも その原因は多大にあると思います。
家族が絶縁してしまうって言うのは よっぽどの事だと思うのです。
うちの場合は 結婚してから30年。
その間、義母はずっと 私たちと関係を 自分自身から拒否っていました。
「私はあんたたちのお世話にはならない」と、言い切っていたのです。
ですから、孫の運動会や音楽会、お誕生会なんてのに顔を見せた事は 一度もありません。 経済的に苦しい時に 助けてくれた事ももちろんあろうはずがありません。
義母に対する主人の態度は、もっと冷淡で
「あいつとは死んでも一緒に住む事はない」と ずっと言っていました。
子供心に傷ついた気持ちは ちょっとやそっとでは 修復なんて出来ません。
この人は 複雑な家庭環境なんだろうと 薄々ずっと思っていました。
親子とも語らない暗い過去。
それが30年の年月でアルツハイマーという不気味な病気を持って繋がってしまったのです。
TVの写真にあったように義母の家も まさに ゴミとゴキブリと不用品の山でした。
その上 年金で返すからと ご近所でお金を借りて歩いていました。
食事も昔からほとんどが外食で生活しているような人だったので 自分で食事が作れず、買ってきたまま腐っってしまったお惣菜と 賞味期限が何年も過ぎてしまっている異臭のする冷蔵庫の中身。 凄まじかったですよ。
「もし、あの時 病院から電話が掛からなかったら」と、思う時があります。
きっと、私たち家族は 今のような悲惨な精神状態ではない 平和でのんびりと幸せに暮らしていたんだろうと 思います。
「例えば、あの時 電話があっても 絶縁しているからと突っぱねてしまっていたら」 一人暮らしの「宇宙人」はそのまま施設には入れたのかも…と思うと 後悔もあります。
甘い言葉に誘われて たくさんの着物を買って豪遊して、退職金も貯金もすっかり使い果たし、ボロボロのミイラのような状態でした。
見た目の余りにも情けなさに同情してしまったのも失敗です。
世の中には、たとえ実子でも 一緒に暮らしてはいけない家族もあります。
親子だから、一人息子だから、一人娘だからという 常識は もう根本的に考え直す時代になってきていると思います。
義母から「宇宙人」に大変身してしまった時点で もっと違う方法を考えるべきでした。
豪遊していた時代の義母の友人は、お金が目当てだったらしく お金がなくなってからは、見栄っ張りの性格も手伝って「困っている」と相談に乗ってくれる友人も 精神的に助けてくれる親友の姿も 誰一人も見当たりません。
「お若いですね」「お似合いですね」「お綺麗ですね」
義母の大好きな三言葉です。
この大好きな言葉で いろんな書類に印鑑を押して、全財産を 無くしてしまいました。
そして、その事も忘れたくて アルツが始まり、自分が嫌だと思っている事を 全て忘れてしまったのだと 思います。
そして、今でもその甘い言葉で 印鑑を押してしまいそうです。
新しいヘルパーさんが「お綺麗ですね」なんていうと さも嬉しそうにニコニコしているのです。
脱線してしまいました。 要するに自分の責任で一人で暮らしている老人は、呆け老人になる前にきちんと対策を立てておくべきだと思います。
いくら家族だと言っても、財産と言えるものが何もないのに病気だけは持っている老人を 愛情もない他人同然の息子や娘が 面倒を見られるわけがない と 自覚しておくべきなのです。
家族は冷たい視線で見つめても、ディサービスやショートステイのヘルパーさんたちは 優しくニコニコ親切に扱ってくれます。
介護保険っていうのは そういうものらしいです。
お世話をすれば 給料が貰える介護サービスの人と お世話をすると仕返しをされる家族では 本当ならばどっちが 大変か?という事は 介護を経験した人しか語れないと思います。 老人大国 日本では これから間違いなく 親の問題で苦しむ家族が増えてくるはず。
いい関係の親子で過ごせたら もう少し妥協の気持ちがあるでしょうが、実の息子が
「顔も見たくない。」と思ってしまうようでは、話にもなりません。
行方不明。 アルツハイマーで何処かに徘徊してしまった時、いつも 頭に浮かぶ言葉です。
カテーテルの袋には 手作りで「○○ ○子 73歳 アルツハイマーです。 迷子になっていたら ××ー××××まで 連絡ください」と 書いた布を縫い付けています。
これは 本当に大変です。
今までは 近場の行方不明ですんでいますが 今後遠くまで出かけてしまった時は 探しようがなく いつも家族を苦しめる言葉です。
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