三者会議
今日は 「三者会談」がありました。
なんか 学校みたいでしょう?
「三者会談」って言う言葉を、初めに聞いた時は、進路相談?か政治家か?と 思ってしまいましたよ。
これは いったい何かというと 介護者家族・ケアマネージャー・シュートステイ代表者・ディ代表者で 来月の予定や今後の介護をどうするかという事を 個人別に話し合ってくれる会議です。
他のお宅では どのようにやって下さってるのか 全然わかりませんが、我が家では、こちらに連れて来た直後から 徘徊が始まってしまった義母を いったいどう扱っていいのか それすらわからない状態で 介護が始まってしまったので 市役所の介護窓口を経て 介護の専門化の沢山の方の手を借りることになりました。
すでに施設にすぐに入れるというチャンスを O市で義母の借金という形で 棒に振ってしま
いました。
一緒に暮らさない事で こちらに連れて来てもいいと 思っていたダンナは 予定通りに進まない日々に ストレスで おかしくなる寸前。
O市では周囲の人達に 「息子と暮らしたい」と話していたという義母は ケアマネージャーさんには 本当は一人で暮らしたいと語ったそうです。
ダンナに言わせると
「他人にはいい格好しいのアイツなんだから 一緒に暮らしたいと言ってたというのが そもそも嘘だったんだ」。
TVのドラマでも 文学書でも 親子の絆は強い 物語がほとんどです。
でも、現実は 違う場合も あるんです。
初めは 一緒に暮らせなかった時間がなかかったからと 好意的に思っていた私にも 義母の建前と本音の違いが見えてきました。
日が経つにつれて 「O市に帰りたい」と 奇奇怪怪な行動を繰り返すようになって 徘徊が始まりました。
義母の方も 実像を隠すことが困難になってきたんだと思われます。
主治医になっていただいたた神経内科の先生の所に 義母を連れて 週に何回も通う日もありました。
一緒にいると こちらがアルツハイマーなんじゃないかと錯覚してしまう空間。
義母は 正常に見える外観です。
正常に話しているように見える会話。
初対面の人では ごく普通の人にみえます。
それなのに、しばらくすると やっぱり普通じゃない違和感が 黒い煙みたいにモヤモヤ 漂っています。
30年間 いくらでも家族として付き合えるチャンスがあったのに 家族になれなかった人なので どの部分が正常じゃないのか 「なんか変だ」と感じてしまうのか分からない やるせなさ。
初めの頃は 時間がスコーンと抜けるという姿を よく見かけました。
それを本人が認めないので、「お位牌がない」「服がない」「カバンがない」と 大騒ぎ。
挙句に果てに それは 私たちが隠しているんじゃないかと思っているらしく、買い物に出た留守中に あちこち探した形跡がありました。
探しているうちに 家の物を動かして 鍵や備品が行方不明に なっています。
「鍵がないんだけど~?」
「わたしじゃないよ。」
「ここに 書類が置いてあったんだけど どこかに持っていった?」
「わたしじゃないよ。」
義母がなくしてしまった物は、本人も忘れてしまっているので が持っていって穴の中に埋めてしまったような物です。
メグタには一種の法則があって 持って行く場所が決まっているので そこを探せば出てくるのですが、義母の場合は 全然わからないのです。
それを ダンナが 怒って確認すると
「わたしじゃない!」
「知らない!」
で 親子喧嘩が 毎度 始まってしまうのです。
部屋を探しまわったことも 忘れているのか、ダンナの言うようにすっとぼけているのか~?
回を増すごとに 部屋は荒らされ いろんな物
が隠されていきます。
こう 毎回繰り返されては 私だって「犯人」は 義母だと思わざるを得ないんですけどね。
こうして ますます親子の断絶が 深まっていきました。
その頃の義母は「宇宙人」に進化しつつありました。
正常と異常の狭間にいたんでしょう。
会話といえば 食事の時のTVの話。
自分を一切語らない義母は 私もダンナも ただ、ただ頑固な自分勝手な人に思えました。
徘徊、お漏らし、言い訳とだんまり。
何か失敗した時は隠してしまい、
「一人でやらないで 私に声を掛けてください」
と言っておいても、私が洗濯をしている時や外に干しに出ている時、買い物やの散歩の時など を狙って トイレで粗相をしたり 出掛けてしまったりするのでした。
それで 迷子を探し回ったり 連れて帰ったり、後始末は結局私がする事になるので 近所の方々にも 説明して歩いて
「どこかで見かけたら 連絡してください。」と 頭を下げて回りました。
やっと探し出した「宇宙人」を ペンションから連れて帰る時の大芝居は 助けてくれた人の前で 私に向かって
「ごめんなさい、ごめんなさい。どうか許してください。」
と 嘘涙を流して 土下座をするのです。
これには 本当に参って こっちが情けなくって涙が出ました。
ご近所の前でこれをやられちゃあ~
「面倒を見ている私が あんたに 一体何をしていると言うんだよ~!」って怒鳴ってやりたい気分。
嘘つきな義母が犬だったら 近所の警察犬の訓練所で 忠犬になるための訓練でも受けさせたい気分。
家に帰ったら 全く何事もなかったかのごとく
「ご飯。」という。
なんなんだ~! この人?
この「宇宙人」を いったいどうしたらいいのか…。
主人は 二重人格のような人を使い分ける(利用する)所が昔から いちばん許せないと そのうちに口も利かなくなりました。
本当に悪循環でした。
それを救ってくれたのが ケアマネージャーさんでした。
これって病気なの?性格が悪いの?っていう部分を やんわりと教えてくれています。
相談できる人がいるっていうのは 本当に心強いものです。
そのおかげで 介護で頑張ってくださっているヘルパーさん達から アドバイスをたくさん頂きました。
知らなかった介護の現実を こんな風に お世話して頂いてる人達と話し合っているのが「三者会議」です。
私は まだ4ヶ月目の新米の介護人です。
必ずお会いする介護のヘルパーさんに
「アルツハイマーって どんな病気ですか?」って聞いています。
「介護の仕事って好きですか?お年寄りって 可愛いですか?」って聞いてしまいます。
アルツハイマーに関しては まだ 納得の出来るお返事を 神経内科の先生ですら与えてくれません。 個人差があるというのです。
介護の方は 先日新しく知り合いになったディのNさんが
「自分の親の時が 一番辛くて一番優しくしてあげなくてはいけないのに 一番辛く当たってしまった」
と おっしゃっていました。
その言葉を聞いて 正直、ちょっぴり 安心しました。
いずこも同じ~。 なんですね。
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