そうなんですね…
今日は 施設の方から連絡が入って
「施設院長先生の方針のお話や 施設内の見学、その他の手続き等が あります」
というので 主人と出掛けてきました。
介護施設の受付や 事務手続きで 何ヶ所かは回っているので 外観や面談室には入ったことがあったのですが 中を見せていただいたのは初めてでした。
ずっと以前 高校生の時に、友達と 浜松市の三方原の老人ホームに ボランティアで お掃除に何回か出かけた事がありました。
あの時代では ガラス張りの広い建物でしたが それは、今の時代と違って 病院と同じで 隔離されている老人のイメージが強かったと 思います。
その経験が 老人ホームは暗いという先入観を 無意識に刷り込んでいたんだ と分かりました。
日見せていただいた 施設の明るさと使いやすさは 全然ほど遠いものだったと 改めて思い出しました。
施設内は 通路も広く明るくて 居心地が良さそうでした。
少しだけ食事をしている姿を 見せてもらいましたが うちにいる時とは違い 同じ年くらいのお年寄りと 楽しそうにしていました。
家では見せない 穏やかな顔でしたよ。
院長先生のお話で すごく納得できる言葉を いただきました。
「普通の人でも、例えば スーパーなどで ちょっと見知った人と出会ったりしますね。
お互いに 「こんにちは。」と挨拶をする。 ところが名前が思い出せない。
その時に 相手が「○○ですが××さんですよね?」とか名乗ってくれれば 記憶はたちまち何処でどういう知り合いなのかを 思い出すきっかけになる。
会話もはずむ。
ところが、たいていは 忘れている事を言い出すのは相手に悪いと思って 聞かずにいるので 分かれた後でも
「あの人は誰だったかしら?」と 思いながら忘れてしまう。
認知の人は 毎日これと同じ状態が 続いていると思えば いいんですよ。
覚えていて 分かる事もあるし、普通の人と同じようにその場で 覚えられる事もあるんです。 でも、ほとんどの事は 数時間から数日で 忘れてしまい なんだったかしらと 思い出す事もなくなってしまう。」
これが アルツハイマーを介護している経験から言える言葉なんですよね。
こんな風に考えたら 何も知らない家族が やる事為す事 いちいち腹の立つ事をしてくれても 本人は必死なんだと 好意的に考える事もできるかも しれません。
真夜中の徘徊も いい言葉をくださいました。
「夜中に動き回るのは たいていはトイレを探しています。
記憶が昔に戻っているので 新しい洋式トイレの使い方を 忘れてしまっています。
ボットントイレか和式トイレかなら もしかしたら成功するかもしれませんが、新しいトイレは穴が開いているように見えて トイレを探すんです。
すると、バケツがある。
穴でするよりも バケツのほうがいいだろうと考える。
それで、バケツと思ったゴミ箱や その他の物にオシッコをしてしまう。
男性なら 外でしたり 壁にしたりしてしまう。
家族には 異常行為でも 本人は必死で 失敗しないようにと 考えているんですよ。」
汚れた物を タンスやベッドの下に隠すのも 迷惑をかけないようにという 必死の考えなのだそうです。
裏目裏目に出てしまうのは 必死になんとかしようともがいた結果なのだそうです。
「とは、言っても 家族には汚してしまった結果だけが残るので、大変でしょう?
そこでこういう施設を 有効に使ってください。
私達は 仕事のプロとして働いています。
どういう話し方をするか、どういう風に扱うと穏やかに暮らせるかを 勉強しながら ヘルパーさん達も働いています。
家族の方もそれを参考にして みるといいかもしれません。」
この施設の中では うちのお婆ちゃんは まだまだ 大物「宇宙人」の域には達していないようです。
もっと、もっと 辛い経験をされる日が来るかもしれません…のだそうです。
ともかく
「しばらく骨休めを してくださいね」
と ケアマネージャーさんに言われて 施設を後にしました。
介護施設は 日々進歩しているんですね。
本当に 助かります。
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