モンキー・ドッグ
この3日間 朝の7時に 聞こえてくる犬たちの鳴き声。
「ワン、ワン、ワン、ワン!」「ワン、ワン、ワン、ワン!」
それはまるで 拍子でもとっているかのように 正確に鳴き続けています。
これに メグタくん。 反応しない訳がない。
声が聞こえている間 一緒になって 「ワン、ワン!」「ワン、ワン!」
いまにも外に 飛び出していきそうな勢いでソワソワ、家の中をグルグル、グルグル。
この鳴き声に 雨上がりの猿たちが あっちこっちに 退散していきます。
昨日は 偶然 朝のお散歩中に この「ワン、ワン、ワン、ワン!」の声の主に遭遇してしまいました。
「モンキー・ドッグ パトロール」と書かれた黄色い布をつけた 精悍な顔をした
細めの柴犬でした。
モンキー・ドッグというのは 猿を里の畑から守るために 走り回って森に追っ払うための犬です。
去年の夏の終の頃から 森の入口に 「モンキー・ドッグ 巡回中」なる立看板が立っているのは
知っていましたが 目の当たりで見るのは初めてです。
トコトコとやって来た この柴くん。
うちのメグタは どういう訳か 犬に戦闘的なので 仲良し犬ちゃんがいません。
ところが この柴くんとは 鼻と鼻がくっつくほどに近寄っても 全然なく気配がありません。
「やった! 初めての 柴友だち~」
と 思ったのも束の間、 パトロール仲間の他の犬が やって来た途端に
素敵な魔法はプツンと切れて いつものように
「ワンワン、ワンワン ▽・w・▽」となりました。
「ご苦労さまです。」
「おはようございまず~。」
人間同士の挨拶に 犬たちは おとなしく待っていますよ。
でも やっぱり しっかりと訓練されている犬たちはとっても賢いのよね。
名前を呼ばれると さっと パトロールの人の隣に並びました。
これが離れているのが メグタだったとしたら きっとニコニコしながら
モンキー・ドッグの柴くんに くっついて行ってしまったでしょうな。
私が ここで大声で呼べど騒げど~ですよ。
この「モンキー・ドッグ」 ちょっと 調べてみました。
農林水産省/特集 鳥獣被害対策を考える(2)
http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1011/spe1_02.html
で 発見しましたよ。
ここに登場している 警察犬の訓練所が 我が家の近くにあります。
そして この数週間 雨続きで 連日猿の大群があちこちに出没していて
畑のおじさんたちは頭を抱えていた所に この「モンキー・ドッグ」が
まるで スーパーマンのように 格好よく登場したのです。
メグタが 憧れるのも無理はありません~よね。
毎朝 7時に 外に出たくて待機しています。
<磯本さんと モンキー・ドッグたち>
犬にとって 「鳴かせない」ということを 教えることは自己流で教えている私には
至難の技です。
でも、逆にここぞという場所や場面で「鳴かせる」という事の方が もっと難しい事のような気がします。
この 「モンキー・ドッグ」くんたちは この鳴くという訓練が きちんと出来ています。
なので、放し飼いの許可を頂いて 森を自在に猿を追いかけています。
紐を噛み切って 逃げ出して猿を追いかけ回すメグタとは 大きな違いがあるんですよね。
メグタは日常生活の必然性から 猿が来たら 大鳴きをしますが
うちの近所に最近越してきた 柴犬などは 絶対声をたてませんよ。
犬だって 大群の猿たちは 恐いんでしょうね。
私はメグタが 猿に吠えても 通りすがりの人間には吠えないで欲しいなぁと思っていますが
そんな人間に都合のいいこと、あっちはよくて こっちはダメということなんて
犬には理解できるのかしら?
上手に教えることが出来たら 一番いいのだけれど 出来なくても
「ま、いいか~ 元気ならいいや~。」 です。
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コメント
昔から「犬猿の仲」っていうけど、猿の天敵は犬なんだね。パトロールするワンチャんたちも誇らしげに思ってるんだろな。
でも、猿達だって、本能で動いている訳でこのところ里山が人の手で切り開かれ、もともとそこの「先住民」だった、イノシシやシカが彼らの必要とする餌の少ない山奥に追いやられ、秋には子供も産むでしょうし、お腹をすかしてときおり現れては悪者扱いされるのもかわいそうですね。逆に、絶滅しそうなくらい数が減ってしまえば、反対に保護されるんだけど。
宮沢賢治の”どんぐりとヤマネコ”のお話が大好きです。もうじき、そんな季節ですね。
投稿: メシダでござんすよん! | 2011年8月29日 (月) 07時31分
宮沢賢治、いいですよね。
どんぐりと山猫 知ってる知ってる。
どんぐり同士がが誰が一番かと 裁判をするやつでしょ?
日本の政治家の姿に似てる気がします。
すぐ総理大臣を 陥れて選挙に持っていく。
「俺が~」「俺が~」。
ですよねぇ。
うちの森にやって来る猿たちも 本当は可哀想な猿たちですよ。
もう7~8年たったけれど 安曇野から大町の山の麓に国定あずみ野公園が出来た時に
そこに住んでいた猿たちがどんどん移動して来たんですよ。
初めはほんの5匹ぐらいの小さな家族の猿たちが 数年後には何十匹の大群になってきました。
その頃に 山を手入れしたらきっとこんな状態にならなかったのに 当時 長野県の職員と穂高町の方針は
動物と共生すると 森に住んでいる私たちを公民館に集めて 演説をしたんです。
でも、その後 畑を荒らすようになって 畑と森の境界線に電柵を張りました。
農家の人と役場で 協議して私達には事後報告でした。でも 電柵よりも猿は賢く 逆に森に猿が住み着いてしまったのよ。
安曇野市になって 電柵は自然消去みたいな形になって猿の被害は エスカレートする一方です。
山の手入れがされていないからです。
なので 雨が降る前には必ず やって来ます。
数はもう 50匹以上もいますよ。
投稿: うっちゃん | 2011年8月29日 (月) 23時12分