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2011年11月25日 (金)

静かな空間

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 10月末 入院中に 義母の施設から 電話が入りました。
 「インフルエンザの申し込みの用紙が 市役所から届いているはずですが…。」

 (入院中は ダンナの所に 連絡が行くはずでは…?)と思ったけれど ヘルパーさんが 我が家の家庭事情を熟知していてくれているので
 「いつまでに届ければいいのいいのですか?」と伺うと
 「今月の請求書と一緒に同封しましたので 10月末までには お願いします。」
 「まだ、退院できそうにないので ダンナに確認させて 届けさせますね。」
 「だったら 事務室に何時でもいいので 持ってきてくれれば お母さんに会われなくてもいいですから~(たぶん(笑)。」
 「ありがとうございます。」

そんな感じで インフルエンザの予防接種は無事に終わりました。

   ※   ※

 先週末 義母の担当のヘルパーさんから 久しぶりに電話がありました。
義母がディサービスやショートステイで 通っていた頃は ほとんど毎日といっていいほど
連絡電話がかかっていましたが、入所してからは ほとんど電話はかかりません。
なので、電話の内容はほとんどが
 「必要な書類や手続きの連絡や 義母の変化や 必需品を持ってきてください。」などの 
ちょっとわたし的には 急ぎの『いつまでに用意しよう?』となるものが多いのです。

 今回は ここのところずっと施設内の業者に 入所中の洗濯物を任せてあるので
 「お母様の着替えが洗濯で縮んでしまって 窮屈そうに着ている。」
というものでした。
 「お母様の衣装の中で 水洗いをしても縮んでしまわないような物を 持って来て欲しいのですが…。」
 「わかりました。」

 義母は 若い頃は かなりお洒落な人だったようです。

 こちらへ引越しをする前は 義母の寝室には 古いファッション雑誌にでも載っていそうな奇抜な色と模様の(その時代の流行を追っているってことです)服が 信じられないくらい洋服ダンスに掛かっていました。
それは 要するに 現在はとても着られないタイプの服たちで 体の小さな義母の服は 同年代の義母の知り合いにも 「よかったら着てください。」と 分けてあげることも出来ずに 
結局は タンスの中で眠っていた高価そうなワンピースやスーツは 憐れにも殆どといっていいほど 廃品として処分してきました。 
(古着屋さんで 売れたらよかったんだけれど SSサイズだから…と デザインがね~残念 ね)
施設に持っていける物は 数枚程度なのですが トレーナーやズボン Tシャツなどで 山ほどあった衣装の中には 「家の中で一体何を着ていたの?」と思うほど そういう普通の人が着ている服が 見当たらなかったのです。
じゃあ 今までの服は一体どこで購入していたのか?と 驚かされます。


 入所した時には 必要品として足りないものは 無柄のシンプルな服を 用意して持たせましたが 自分の物ではないからと ずっと常設のタンスにしまってありました。 
今回も 自分の物ではないと タンスの肥やしになるかもしれませんが 一日中暖房の効いた施設の中で 毎日着る服~水洗いしてもいい服となると 限られてしまいます。
頭を悩ませて セーターやカーディガンの代わりに ジャージの薄手のものを見つけました。

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 そんな数種類の着替えを用意して 久しぶりに 施設に出かけてきました。
出掛けるたびに 介護施設というのは 本当に不思議な空間だと 思います。
時間がゆっくりと 止まっています。
そういう風に感じるのは 私だけでしょうか?
義母より高齢で 普通の病院に怪我などで入院している お年寄りの時間の流れとは 全く違う。
特に今回は たくさんのお年寄りといっぱい話をしてきた後なので ひしひしと その違いが分かる気がします。


 今日は 午後2時頃でしたが、作業や体操などの時間帯ではなかったせいか ホールには 係のヘルパーさんと 数名の車椅子のお婆さんが 眠ったように動かずに座っていました。
食堂では ワイドショーっぽい番組が流れていましたが 椅子に座っているのは これまた半分眠っているようなお爺さんが 3人だけでした。
やっぱり 止まってる~。 お昼寝中?

 ヘルパーさんに 着替えのチェックをしてもらって 義母の部屋に行きました。
ベッドが新しくなっていて 前にはなかった柵が2ヶ所に付けてありました。
ゴロンと寝ていたので 静かにタンスの中をチェックして足りないものを確認していると
 「足 どうしたの?」と 義母がベッドに起き上がりました。
 「もう治りかけだから 大丈夫だよ。」
 「今日は どうやってきたの? 久しぶりですね。 お元気ですか?」

 (私がわかってる? 他の人とおもってる?)そこの所が わからないので 軽くいろいろ質問してみることに…しよう。
 「何か 欲しいものある? パジャマとかまだ 大丈夫なの?」~とか。
義母は ニコニコ笑いながら 側のタンスを開けて
 「これは嫁さんが用意してくれたから 大丈夫ですよ。」
 「そうなの? よかったね。」

(今日は 分かっていないんだね。 お義母さん、私は誰だと思ってるのかな?)

 「また、何かあったら 宅急便で送るからね。 今日は来てくれてありがとうね。」
と にこやかに送り出してくれました。


 「あ~あ、疲れるなぁ~

 帰りに 事務所で担当のヘルパーさんと 久しぶりの話をしました。
ずいぶんご無沙汰をしてしまったこと、怪我のこと、義母のこと…などなど。
 

 「大変ですが、頑張って下さいね~。」
ヘルパーさんに励まされて 帰ってきました。

 
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 施設に行ってくると 別に何するわけでもないんだけれど なんだか 気が抜けるのです。
なんか 疲れて帰ってくる…。
知ってる笑顔が 知らない誰かにと重なって やって来るって 気持ち悪い感覚。
分からないなら 知らん顔されたほうが 気持ち的には楽なんだろうな~。


メグタに 訳の分からないいたずらをされて 部屋がぐちゃぐちゃになっている気分に
似ているかも~。 どうしようもないもんね


    

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介護っぽい話」カテゴリの記事

コメント

>うっちゃん様 いつもブログ拝見しています。

 6年前に終わった母の介護のときのいろいろを
思い出しだしながら・・一時(2年ほど)私の母は
妹の所に行っていました・・月2回ほどのペースで
見舞いに行っていたのですけれど、いつの頃からか
妹(実の子です、勿論)を私に「この方、とても
よくしてくださって・・」と紹介してくれて・・
妹は「私のこと分からなくなったらしい・」と言っ
ていましたが・・・その母は私のところへ帰りたい
・といつも言い、私は妹にいつでも受け入れるから
・と言っていましたが・・やっと死ぬ20日前
(だったか)くらいに私のところに戻してくれて・・
「もうどこにも行かなくていいからね」と言ったら
嬉しそうにして・・そして(安らかに・)逝きました。

 貴方のブログを拝見して、ヘルパーさんと一緒に
とてもいい介護をなさっていらっしゃる・と思います。 

 お義母様とのことや、メグタちゃんのことや
これからも色々お聞かせください・・・

投稿: J.I | 2011年11月27日 (日) 03時35分

(._.)アリガトJI様。 いつもコメントをありがとうございます。
介護もいまは自分の手を離れて どちらかというと
遠目で見られるようになってきたので 心は私たち夫婦
揃って穏やかになってきました。
この今の時代は 高齢者やその家族にとって 本当に生きにくいし逝きにくい。
若い20代の若者には 働きにくく住みにくい時代ですよね。
すぐご近所には 80代でご夫婦お二人で暮らしている方がいますが、月に数回は 
子供たち・孫・ひ孫まで集まって お祝い事や小旅行に出かけたりしています。
「総勢13人の大所帯だわ」とボヤいておられますが 今の日本に欠けている 
小さいけれど本当の幸せなお年寄りの家族だと いつも羨ましく思ってみています。
上手に子育てをして 上手に年を重ねた見本みたいでしょう?
どこにでもありそうなのに 本当はあんまりいませんよね? こんな素敵な老後の家族。
どちらもまだ 体も心も健康だから…とも云えますが。
いつか 私にも孫ができたら 一家揃って子供たちが小さかった頃のように 
みんなでがっつりご飯を食べる楽しさをまた味わいたいものです。

JIさんも お元気で、体が元気じゃないとやっぱり 素敵な毎日は送れませんからねぇ。

投稿: うっちゃん | 2011年11月27日 (日) 11時05分

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