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2014年1月 9日 (木)

介護認定

 今日は日本全国 悪天候。 
だからと言って 昨日までのお天気だって 決して快晴とは言えなかったのだけれど 重たい湿った大きな雪が 暗い空から わさわさと降ってくるのは 何とも言えず冬の暗い気分を増長させられている気がします。

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 そうでなくても 今日は 義母の介護認定審査の日なんです。
 だから 前日から ちょっと気分が重いのです。 
毎回 介護認定の日の義母の姿を 思い浮かべるだけで 気持ちが暗くなります。
そんなわたしの嫌だなぁ~という気分が伝わるように 今週は連日 雪マークが出ています。 せめて青空でも出ていれば ちょっとは救われるのに…(・;・)7



 面接は 介護施設で10時30分からです。 持ち物は 「今使用中の介護認定証を 当日持って来て下さい。」とのことでした。


 市役所の介護認定の担当者の方と 事前の昨年末に連絡をいただいていたので これくらいの雪で出かけないわけにはいかないですよね。 約束の時間に間に合うように 出かけました。



 施設は この時期は 特別な用事のない限り 「面会はご遠慮ください。」のシーズンです。
部外者からのインフルエンザやノロウィルスの持ち込みによる院内感染を防ぐためなのだそうです。 インフルエンザが…などの話を聞いていたために 出掛ける前に一応マスクを用意しておきました。
思った通り 施設内は 入所者の方以外は 全員マスク姿でした。 私も 入り口からさっそく マスク着用です。 用意していってよかったわ~。 


 事務所では ケアマネジャーさんが 待っていてくださいました。

 「おはようございます。 まず、手を消毒してから入館してください。」
 「おはようございます。 よろしくお願いします。」

 「こちらは 市役所の担当の…さんです。」
 「よろしくお願いします。」



 ホールでテレビを見ていたらしい義母を連れて ケアマネージャーさんが義母の部屋に案内してくれます。
ホールで一人だけ ご指名を受けた義母は なんだか嬉しそうに キャスターにつかまって ゆっくり歩いてきました。



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 介護認定の担当者の方は 認知症認定の恒例の質問を 少しずつ聞いていきます。 

 「ベッドに自分でいつもしているように 寝てみてくださいね。」
 「いつもしているように 立ち上がってみてください。」
 「この絵を覚えていてくださいね。」 などなど。


 今回も 義母は頑張る!頑張る!

 「はい。 はい。 私は 何でも自分で出来ています。」


 今日の義母はおしゃべりです。 聞かれないことまで しゃべって 私は何でも自分で出来る事を やたらとアピールしています。  


 (そんなに 頑張らなくって いいんだよ~。 頼むよ、お義母さん。 介護認定なんだから 今日だけ頑張ってもダメなんだよ。 お願い、お義母さん。 ここから追い出されちゃうよ~ハラハラ)


         …  ・・・  ***  ***  ***  ・・・  … 



 義母はたぶんいつも使っていない脳を フル回転させ 人前ではいい人を演じる生真面目な見栄っ張りの性格のせいか あんまり出来るように頑張り過ぎたのか 質問が後半戦(戦ってるように私には見えます)になった頃に 目に見えて緊張の糸が ぷつんと切れてしまったのです。


 「私は90何歳の母が一人で家で待っているので 家に帰らなくてはいけないんです。」

 
こんな台詞が 義母の口をついて出てきました。 私は口を挟まないように黙って立っているだけです。 思わず ケアマネージャーさんの顔を見てしまいました。 
ケアマネージャーさんのお話によると 最近は この謎の90何歳の母が待っているから 群馬に帰ると言いだしたそうです。


 ここで登場している「母」というのは ダンナと二人で暮らしていた祖母のことなのですが
昭和62年に 病気で亡くなっています。 ざっと計算して 27年の時間が過ぎています。 
義母が今生きている世界は 現実とは違う母がいる世界なのかも しれません。

 帰宅後に この話をすると ダンナは 「倒れた時 救急車を呼ばなかったことを 後悔してるんじゃないのか。 今頃 遅いよな。 本当にあの時 死ななかったかもしれないのにな。」と つぶやきました。 祖母が倒れた時 義母は救急車を呼ばなかったそうで 手遅れになったのだそうです。 祖母に育てられたダンナは その事も義母を許せない原因の一つらしいのです。 (まずい、脱線してしまいました。)  
 
 


 

 「住所はどこですか?」

 「家は もうないの。 あの家はもう古いんで取り壊しになったんです。 だからもうないんですよ。」


 
 あ、その話 知っている。 祖母が亡くなってすぐ それまで住んでいた古くて大きな借家を 義母は引っ越しました。 祖母のお葬式の数日後 私たちは小さな庭のある新しい義母の家を 一度だけ訪ねたんです。 あの頃に 母の心が 止まっているのかもしれません。


 こうして 垣間見える義母の 軌跡。 あの時には 義母の中に 息子や嫁の姿は必要なく 新しい暮らしの中にいなかったんですよね。 ダンナの悔しそうな顔と 隙間風が流れてた群馬のお家。



 

        …   ・・・   ***   ***   ***   ・・・   …



 審査が終わって会議室で ケアマネージャーさんと担当者さんと私との3人で  話をお聞きしました。


 ケアマネージャーさんが 「今日は うっちゃんさん メグちゃんになっていましたね(笑)」とおっしゃるので
 「メグって うちの犬の名前です(笑) お母さんが うちの嫁のメグちゃんですって紹介してくれた時は 苦笑いでした。 マスクをしていてよかったです。」

 担当者さんが 「まぁ、そうなんですか! お話がスラスラ出ているので まったく普通のように見えますね。」と ビックリされていました。


 「本人はたぶん本気で話されていると思いますが 半分は現実とは違いますね。 
トイレの話もさきほど自分でしていると言っていましたが 実際には付き添いが必要ですし 食事も一部介助が必要です。 着替えも自分で着ると話されていましたが 見守りがなくては上着の上に下着をきてしまうというような感じで 自分で選択することができませんし さきほどのお母様の話でもお分かりのように 妄想も出てきています。 入居者同士の見下しという 自分よりも行動が鈍い人を馬鹿にする行為もありますしね。 夜中にうるさいと 隣に怒鳴ることも多くなっています。 ご家族の方には失礼な言い方でしょうが プライドの高い方なので出来ないという事を 今しようと思っていたとか それは嫌いなのとか言って認めようとしません。 それで 出来ない事があると自分より弱い方を責めます。 ただ相手の方もご自分も 忘れてしまわれるので一緒に暮らせるんです。」



 「ふぅ~、そうなんですね。 うちにいた時よりもずっと回復しているように見えても 少しずつ進行してるんですね。 義母を見てると あの頃も今も いつも私はハラハラしていました。」
 「アルツハイマーは ある程度の症状を維持することは出来ても回復することは ないと思いますよ。」
 「そうなんですね。」
 「そうなんですよ。」



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 「施設に入っているので 痴呆に慣れている職員が 介護できるので今は とてもいい状態で維持できていますが 自宅に帰すという事は無理だと思います。」

 そんな風に ケアマネージャーさんが 担当者さんに話してくださいました。


 ふつうの親子じゃない親子。
コンピューターの介護基準に当てはめられてしまえば 人間関係の複雑さは 考慮されにくいんでしょうか? 
今のまま この施設で静かに過ごしてほしいです。


 毎回 決定されるまで 心苦しい日々を送っています。
介護する人、される人。 それぞれに個性があるように 百人百様の親子関係だから 百人百様の介護があります。 
それくらい人が一生を終えるのって なまやさしい事じゃないんだよね。
この年になって この時期に 考えさせられる難問です。



  

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コメント

僕の母も認知症です。いろいろ思いながら拝見しました。ありがとうございました。
それではm (*^_^*)

投稿: 午後のひと時 | 2014年1月10日 (金) 10時03分

午後のひと時 様。
コメントありがとうございます。
我が家はいろんな葛藤を越えて 今はとても相性のいい施設でお世話になっています。
けれど申請や審査や各種手続きなど介護には 目に見えない法律の圧力がありますよね。
午後のひと時さんも無理をなさらずお母様を見守ってあげてくださいね。
家族が元気でないと介護は出来ないと私の実体験で感じています。

投稿: うっちゃん | 2014年1月10日 (金) 10時36分

本当にお疲れ様、ウチの連れも来年ケアマネージャーを受験します。
この年でのチャレンジはきっついけど、介護職始めて、はや七年が経ち、一昨年は介護福祉士に受かったし、自分も彼女を通して間接的に人助けができると思い応援しています。
少し白内障の気もあるけど、今日もウン○まみれになりながら、デイで介護をしています。
連れの施設で働くお仲間の若い人達にもほんとに頭が下がります。自分等がお世話になるのもそう遠くない将来、その頃はどんなになっているんでしょう。国の機関でも実験データの改ざんなんかしていて危ういことにならない様に祈るばかりです。

投稿: メシダどぇ〜す | 2014年1月13日 (月) 13時49分

メシダ君。
本当に介護士さんにはいつも頭が下がる思いです。
目の前で認知症の生き様を見てしまうと あと20年先の自分の姿を想像してしまいます。
これから先 70歳の、80歳の自分が認知症かもしれないと思うと怖いです。
そうでないという保証は誰にもないですもんね。
その頃には ずっといい予防薬が、介護ロボットが…となるたけ明るい未来が待っているのがBESTでしょうが
実際には これからぐんと増えるであろうお年寄り相手の大義名分で甘い汁を吸う人たちと 文句も言えない認知症の患者さんと戸惑って泣いている家族が増えているのかもしれません。
かろうじて今は付いていけている電子機器も いつかは…無理~(ノ_-。)かもしれないし。
ああ、いろいろ考えると 月日はこんなにも長~く過ぎてしまってた!と ビックリしてしまいますよね。
わたしって ゆるゆる生き過ぎたみたい。
ε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ… 
それに早く気が付いたヒロちゃんは 偉い。

投稿: うっちゃん | 2014年1月13日 (月) 14時53分

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