「…!」 その2
雲のずっと上には まん丸のお月さまが 輝いていたんでしょうね。
でも、やっと 秋らしい涼しい風に変わってきた気がします。
ただお天気が悪かっただけ…ってことも考えられますが…。
でもね、ここ数日蝉の鳴き声が しないんですよ。
秋の虫 コオロギの声だけが 静かに聞こえています。
葬儀が日曜日だったので 葬儀屋さんが用意してくれた市役所からの除籍のために必要な書類をしっかり用意して 準備万端で出掛けました。
死亡の手続きは 配偶者か直系の子供たちでなくては 出来ません。
義母をこちらに連れて来た時 様々な手続きが必要でした。
あの時も 何もわからずに 細々(こまごま)した手続きのほとんどを私がしました。
「なんで俺が?」と逃げ出したので 結局は何回も無駄足を踏んでしまいました。
そんな 経験を踏まえているはずなのに 今回もまた ぐずぐず行き渋っているので
「オラオラ~! さっさと行くよ!」
ダンナの尻を叩いて (過保護の母親のように)一緒について出掛けました。
面倒なことは 「後でするから」という言葉に騙されて 以前のように先送りにしてしまっては どんどん面倒くさくなるよねって 本音です。
後送りにしても 自分で手続きをしない限りには 何も終わらないんですからね。
市役所ではたくさん書類を書かされましたが 今回はスムーズに終了しました。
「疲れた~!」
「終わった~!」
「よかったね。」
と、思ったのも束の間。
これで 後はお寺に納めれば…という前に もう一つ 問題があったんです。
まったくの一文無しだった義母の唯一の財産は 私が支給される義母の年金から 少しずつ貯めておいてあげた2通の通帳だけでした。
年金が振り込まれる銀行の通帳と 利用していた施設に振り込むための通帳です。
どちらも義母が自分で作ったものではなく ダンナが代理人としてお金を動かすために作った通帳です。 生きていくための施設利用料と 遠くない未来に必ず訪れるお葬式とお寺の費用くらいは貯めておきたいと 必死でした。
「俺は知らん」と言われても無関心を装っても その日には まとまったお金が必要になるのは目に見えていますからね。
ここ数年は旅行にも行けず ケチケチ貧乏暮らしをしていました。
自分の親にも親孝行できなかったのに ホント私って馬鹿みたいだ~と お人よしの自分に呆れながらです。
その雀の涙の通帳が 死亡により止まってしまいました。
死んで本人がいなくなってしまったんだから 当然ですよね。 実父の時に経験済みだったので ちゃんと知っていました。
ここまでは どこのお宅でも同じだと思うんです。 これが遺産手続きですもんね。
でも義母の場合は 銀行では 肉親はダンナ一人だし 遺産といえないくらいほどのちょっぴりの通帳の金額ですから 簡単 即終了だろうと考えていました。
それが甘かった。
チェック項目で無事通過だと 思っていたら いやはや思わぬ落とし穴が あるもんですね。
「お母様の出生から死亡された時までの 本籍地のわかる書類が必要です。」
「死亡は安曇野市に提出されていますから そこから遡って住民票か戸籍謄本で移動先が記入されていますから それらの用意ができてから 当行にお持ちください。」だそうです。
銀行のすぐ側に市役所の支所があるので 窓口でお義母さんの本籍地の載っている除籍された戸籍をもらったのですが ダンナの子供時代住んでいた群馬県ではなく 50年以上も前に亡くなった義父の本籍が記載されていました。
そこは 佐賀県だったのです。
「あれ? 佐賀になっている!」
「お父さんとご結婚なさった時の本籍だろうから この本籍地に問い合わせて 結婚前の 本籍地の記録が残っている謄本を佐賀から取り寄せるのですよ。」
「うへぇ?」
「そこから生まれた時の出生届まで 謄本記載の役所をどんどん追いかけるんです。」
「自分のことも知らないのに 親の生まれた場所なんてなぁ。 そんな話すら聞いたこともなかったからなぁ。 参ったなぁ。 見つからないかもなぁ。」
で、この本籍地の問い合わせは 遠距離恋愛が増えたからでしょうか?
びっくり、郵便で問い合わせる方法が充実しています。 インターネットでも確認できます。
便利ですね~。
まずは 安曇野市で教えてもらった佐賀市役所に書類を送って 約1週間。
封筒が返ってきました。
そこには結婚時の住所が記載されていました。 そして親切な佐賀市役所の担当者の方は 次の問い合わせ先も丁寧に記入してくれていたので 現在 群馬県の方に2通目の問い合わせをしている最中です。
来週には 次の本籍地が届くんでしょう。
ここで 普通の人は出生に たどり着くらしいです。
が、ダンナは無理かもと疑っています。
どんだけ 長い間 親を疑っていたんでしょうか?
早く、早くと思っても まだ もう少し時間がかかりそうです。
ダンナのいらだちは当分続く…のかな。
人が生まれて死んでいくのには 生まれる時も死ぬ時も 誰かに助けてもらわなくては 逝かれないようです。
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コメント
そそ
亡くなった方の、口座ってそうなんだよね~
ワシの、嫁の実家の、お母さんが逝った時も
生前にと思って、旦那が委任状を持って、銀行に行ったのだが、本人確認とか言って、本人に電話かけたそうだが
本人は、意識が無くて出れずにいたら、手き続出来ず
後日、亡くなったから面倒な手続きで、やっと引き出す
事ができたとか。
配偶者や、直系の親族なら、良い様な気がするが・・・
そのくせ、個人情報が流失したとか。。。
なんだかね ヤレヤレ ┐(´(エ)`)┌クマッタネ
投稿: 中年ライダー | 2016年9月20日 (火) 13時30分
前、妹が銀行に勤めていたので その話でブチブチ言ったら
この追っかけはとても相続で大切なんですって。
今はバツⅠとか普通にあるので 別れた後音信不通になっている家族や未婚の子供などに死亡を告知する意味もあるんですって。財産のあるお家は絶対もめるもんね。
あ~あ、どっかから遺産がドッカンと来たら~
うん、絶対ない、ないなぁ。
投稿: うっちゃん | 2016年9月20日 (火) 20時05分